現在ベンチャー企業でフルタイム正社員で働く、1児のワーキングマザーです。
前職は大手メーカーの開発職。新卒で入社し、3年目で結婚、まもなく妊娠。1年半の育児休業を経て復職します。そしてそのままバリバリ働き続けるつもりだった私が、まさか転職を選ぶことになるとは。
悩んだのは、自分の将来と仕事のやりがい、育児家事との両立です。その悩みを解決するためにとった行動が転職でした。
子育て中のママが転職活動をするのって大変です。家事育児はいつも通りなうえに、転職活動の時間まで作らなくてはいけない。今まで考えてこなかった自分の「市場価値」と向き合わなければならないことも私にとってはつらい作業でした。
そしてやっと手にした今の仕事。やりがいと働きやすさが両立できる会社に巡り合うことができて今はとても充実しています。
私の転職体験談が、子育てと仕事の両立や仕事のやりがいで悩んでいる人に変化を与えるきっかけになればうれしいです。
Contents
活気とやりがいのある職場
前職は、新卒で入社した大手機械メーカーの研究開発部。
職場はほぼ男性。事務の女性はいたものの技術系は私だけです。しかしチームは若手社員がメインで話もしやすく活気があり、厳しくも信頼の厚い上司のもとおたがいに切磋琢磨する良い職場でした。
優秀な人たちが集まるチームの一員として働けることに、どこか気後れしつつも誇らしく感じていた私。「チームに早く貢献したい、認められたい」という一心で休日も必死に勉強する日々。なんとか食らいついていったおかげで、プロジェクトリーダーを任されたり昇格試験に合格したりと、キャリアを積むことにやりがいを感じていました。
職場初の産休育休とドキドキの職場復帰
入社3年目で結婚し、半年で妊娠。産休育休をとること自体が部署で前例がなく初めてのことでしたが、上司も先輩方も「また帰ってきてね」と温かく送り出してくれました。
1年半の育児休業中も上司とはメールで連絡を取りあっていたものの、復職初日は不安と緊張でドアノブに掛ける手が震えましたね。なにしろ1年半ずっと
「1人だけ浦島太郎状態かもしれない。復職したら足手まといになるのでは」
「育児脳になってしまった今、まともに仕事できるんだろうか」
と恐怖でいっぱいでしたから。
でもとりあえずちゃんと席もあり(笑)、スムーズに仕事に戻れるよう手厚くフォローや配慮を頂き、なんとかワーキングマザーとして仕事を再開することができました。
育休中に会社で組織再編があり、職場では人の出入りやプロジェクトのレベル感アップといった変化がありました。なのでやはり最初は「浦島太郎状態」。ですがひんぱんに情報共有の場が設けられたり、業務量が調整されたりとありがたいフォローを頂いたおかげで、プロジェクトの背景や担当業務のペース配分が少しずつつかめてきました。
復職した時期がちょうど取引先とのやり取りが取り込み忙しい時だったので、私も一戦力として仕事を任せてもらったのも、すぐに職場になじめた大きな理由だったように思います。
これがマミートラック?ワーキングマザーの働く悩みにまんまとぶつかる
いっけん順風満帆に見えた職場復帰でしたが、働くうちに私の中で違和感が出始めたのは復職して3か月ほど過ぎたころです。
日々の生活サイクル【毎朝2歳娘を保育園にあずけて仕事に出勤→退勤→お迎え→帰宅しワンオペ育児】がようやくなじんできたあたりでした。
1人だけ残業せずに帰宅することへの息苦しさ
割り切っていたつもりだけど毎日心苦しかったのをよく覚えています。
職場はお子さんがいる社員がほとんど。でも男性ばかりで定時退社してお迎えに行く人は私以外いません。当然のように残業します。終業のベルなんて聞こえていないかのよう。
でも私は、ベルが鳴ると同時に席を立ちます。静かに仕事をする先輩同僚方に邪魔にならないよう「お先に失礼します」と小さめにあいさつしてそそくさと退室。
自分がいないときにプロジェクトが進んでいることへの疎外感
私が定時退社した後に仕事の話が進んでいることはしょっちゅうでした。
次の日出社すると、前日私が報告した状況から変わっていたり、他の人が手を加えて別物になっていたり。
自分だけが定時退社している中みんな残業して仕事を進めているのだから「仕方ない当然だ」と私も割りきるようにしていましたが、なんというか、本当の意味で仕事にコミットできていない疎外感はありました。
やりがいを感じられない仕事
私の仕事は、他の人でもフォローしやすいように分かりやすく整備された仕事でした。子どもの急病などで休んだときに他の人に代われるように、です。
心の中は複雑。「いざとなったら休める」という安心感はとてもありがたいけれど「フォローされないと一人前に仕事をこなせない」感覚にも陥るからです。だんだん「私のいる意味って?」という気持ちになりました。
私の仕事は私でなくてもできる仕事。誰でもできる仕事しかしていない。この職場でキャリアを積んでいく将来が見えない。
こうしてやりがいも感じず、将来も見えない自分になっていきました。
男性ばかりの職場で相談できず気疲れしていた
入社当時から「女だからってできないと思われたくない」と気を張っていたのに、育休後は「子育て中だからという甘えは一切見せない」とさらに気を張るようになりました。
職場の男性社会において「弱音は吐かない、かといって出しゃばりもしない、無能とも思われないように」といいあんばいで溶け込むように心がけていたし、できていたと思います。
ただ…ワーキングマザーとして働いていると、ほろっと気持ちを吐露したいこともあるんです。でも、いくら子供が咳で寝づらいのを夜通し看病していて寝不足だろうが、子供が「ママがいい~行かないで~」と大泣きしてしがみつくのを無理やり引きはがして出社しようが、仕事が始まればそんなこと言う時間もありません。
子供の看病のための有給でも、会社にとってみれば「お休み」ですしね。
そんなときに、昼休みの雑談で子供を持つ男性社員が
「子供は奥さんに任せてゲームをしてた」
「奥さんが2人目産休に入って『毎日休み』だから保育園の送迎も家事も全部任せてる」
「共働きの奥さんが毎日夕飯作るのが大変って言ってるんだけどそんなに大変かな?」
なんて話題で盛り上がってると、もう…子育て家庭を持つ男女の差を感じずにはいられませんでした。決して男性すべてがというわけじゃないけど、私が受けた実感として、やっぱり共働きしている時間は平等でも、家庭での女性の役割というか負担は多いなと感じました。
自分が一番大変だと被害妄想する気はないけれど、仕事が終わってかえっても第二の仕事=家事育児があるという状況はなかなかホンネでは分かり合えず、分かってもらえないんだという孤独感で勝手に疲れてしまいました。
育児中で定時退社だからという理由で評価が下がった
半期に一度の人事評価のとき、「みんなより早く帰っているから」と相対評価で下げられました。
2年間のブランクがありパフォーマンスが下がっていることは納得済です。しかしそれを補うために、独学で習得したプログラミングで業務効率化ツールを作りできる工夫をしてきました。
しかし、他の人はもっと長時間働いている。それが理由で評価は下がりました。下がりました…
ママと離れてもがんばる娘と仕事を頑張れない私。罪悪感から転職を決意
とどめは娘の「ママ~ママと一緒にいたいよぅ~」という魂の叫びでした。
娘は毎日頑張って保育園に通っていました。朝泣かずに私とお別れできるまで2か月以上かかりました。涙をこらえて、あるいは大泣きして、またある時は目もあわせずにバイバイします。こちらも涙をこらえて笑顔をむりやり作り「お迎えに来るね!」と保育園を後にしますが、内心は心臓が引き裂かれそう。
そして毎朝娘の頑張りを見るたびに、落ち込む自分がいました。というのも、娘が頑張って保育園で過ごしてくれている間、私は仕事を頑張っていなかったから。やりがいを感じられず、新しい技術を学ぶ頭も回らず、一人で勝手に気疲れして、頑張れなくなっていたのです。
家族で笑顔になるために働いているのに、私が働いているせいで自分も娘も笑顔になれないなんて本末転倒もいいところ。自分が頑張れない仕事に向かうために娘に無理をさせてしまっていることが、娘に対して申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
私がスムーズに復職できるように体制を整えてくれていた職場からしたら、迷惑以外の何物でもない、私の仕事に対する意欲のなさ。
どうしても頑張れない申し訳なさと、職場に100%のパフォーマンスを提供できないふがいなさ、そして私より何倍も小さい体で私の何十倍も頑張ってくれている娘に対する罪悪感。
これらを断ち切るには…そう思った瞬間「転職」という言葉が浮かびました。仕事を変え、やりがいと将来を描ける仕事を手に入れようと、活動を始めることにしたのです。
ここまでのまとめ
就職から出産育休、復職を経て転職を決意するまでを書いてみました。あっさりと書きましたが当時の日記を見ると苦悩がまいにちぐるぐるめぐる毎日でした。
次の記事では、転職活動を始めたことについて書きます。
*転職成功体験談の目次*